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Expat Wives Career Network

【interview / vol.27】無償の活動にも価値を感じて!

駐妻のキャリアについて、気になる人にインタビュー。
引き続き、日本人以外の駐妻の方々にお話をお伺いします。
第6回目は、フランス人のMarionさんへ、上海、ソウル、そして、現在の東京でのご経験に関し、お話を伺いました。 
英語版は、こちらをご覧ください。(Marionさんとのインタビューは英語で行われました。)
 

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ー 簡単に自己紹介をお願いします。

こんにちは!私はフランス人で、夫と3人の子供と一緒に東京に住んでいます。東京に来てから2年ほど経ちます。子供達はフランス系インターナショナルスクールの12年生、10年生、7年生です。私を一言で表現すると、好奇心旺盛で意欲的、そしてせっかちでしょうか。アジアに住むようになって、平静を保つことを学びました!(笑)

キャリアの話をすると、8年前にアジアに引っ越してくる前は、フランス、リオンで製薬会社の支社長を務めていました。1996年にビジネススクールを卒業してから、監査から管理まで、またCFOからマネージングダイレクターまでと順調にキャリアアップしてきました。

2011年に夫の上海への駐在に帯同した時は、フランス人学校のCOOを務めました。300人の従業員と1600人の生徒がいるマンモス校でした。この仕事は、夫の駐在が決まり帯同するまでの間に見つけました。当時は、仕事をしないなんて考えられなかったので!
その後、2014年から2017年まで、韓国、ソウルにも帯同し、東京には2年前に来ました。これまで、正社員、個人事業主、ボランティアとしてと様々な働き方をしてきました。ボランティアというのは、韓国滞在時に、aKtivesという韓国在住キャリア志向のフランス人達の為の団体を立ち上げて活動したものと、日本でのFemmes actives japon*1という日本在住フランス人女性のキャリア支援団体での活動になります。

ー様々なご経験をされてきたのですね。今日本では働いていらっしゃいますか?

小さな会社が事業を発展させるためのお手伝いをする社外アドバイザーの仕事を個人で受けています。また数年前に弟と一緒に始めた家族経営のワイナリーの仕事もしています。自分でビジネスをしようと思ったきっかけは、日本では日本語が話せないと仕事を得るのが難しいんです。でも、配偶者ビザで来ていたとしても、パートタイムで働くための許可証は簡単に申請できるので、このような働き方を選びました。上海への帯同時は、帯同前にすでに仕事を決めていたので、到着してすぐに何もかもをしなければならなくて大変でした。その土地に慣れること、子供達の学校のこと、フルタイムの仕事と、すべて同時にしなければならなかったので、本当に忙しい毎日でした。ですので、ソウルに行った時には考え方が変わっていました。まずはボランティアの仕事から始め新しい環境に慣れ、その後フルタイムの仕事を見つけました。新しい場所に行くと仕事を見つけるのに1年ぐらいかかります。そして、また2、3年後には移動しなければなりません。新しい分野で学び、仕事が軌道に乗ったとしても、数年後には移動になり、また一から始めないといけない。。。これらのことを考えて、日本に来た時には、自分でビジネスをしようと思うようになっていました。
  

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ーワインビジネスというのは、フランス人らしいですね!とても楽しそうなお仕事ですが、フランスではワイナリーを所有するというのは、わりと普通なことなのでしょうか?

ワインビジネスに関わっている人達はたくさんいます。生産したり、販売したり、テイスティング会を開催したり、コンサルティングをしたり。。。企業務めを辞めてワインビジネスを始めたいという人達もたくさんいると思います。でも、私達のように、何もないところからビジネスを始めた人はそういないんじゃないかなと思います。

私の弟はホスピタリティ業界で働いていたのですが、働き始めて10年経った頃、私の実家が所有しているカントリーハウスのあたりにワイナリーを作りたいと家族に打ち明けたんです。最初は家族みんな反対しました。何の経験もありませんでしたので。でも、弟にはとても熱い想いがあり、結局家族みんなワイナリーを始めることに賛成しました。ワイナリーというのは、単に葡萄を育てるというだけではありません。戦略を立てたり、資金調達をしたり、ブランディングをしたり、マーケティングや営業をしたり、本当にたくさんの仕事があります。これらの仕事をリモートでしていて、かなりの時間を費やしています。

ー日本にMarionさんのワインを輸入されているのですか?日本でのビジネスはいかがですか?

はい、日本に私達のワインを輸入していますよ。外国でビジネスをしたい場合、ローカルのパートナーを見つけることが大事だと思います。たくさんの方々にコンタクトして会ってもらい、やっと私達のワインに興味を持ってくださる方に出会うことができました。たった一人でも信頼できるパートナーを見つけられれば、ビジネスはできますからね。今のところ、うまく行っています。ビジネスパートナーやお客様は、皆さんプロフェッショナル意識が高く、とても親切で働きやすいです。


ー日本にいらした時、カルチャーショックは感じませんでしたか?

日本に来る前に、すでにフランスから離れて6年経っていましたし、アジアにも住んだことがあったので、カルチャーショックは感じませんでした。海外に住むことにもう慣れているんですよね。ただ、一回目の帯同で上海に行った時には、現地の方々が話されていることはわからなかったですし、書かれているものも読めませんでしたので大変でしたね。当時、上海では英語を話す方はほとんどいませんでしたし、グーグルマップやグーグル翻訳などもそれほど発達していませんでしたし、そもそも中国ではアクセスできませんでしたからね。ですので、あの頃は大変でした。徐々に言葉もわかるようになり、生活にも慣れてきた頃、また新しい土地、ソウルに引っ越さなければなりませんでした。そしてまた同じことの繰り返しでした。何もわからないところからの始まりを繰り返すうちに、何も理解できないという状況に慣れるようになり、その状況に対してトレスを感じなくなりました。「わからないけど、まあいいか、なんとかなるわね。。。」という感じで。ストレスを感じていなければ、自分の生活ややるべきことに注力できますでしょう?国はそれぞれ違うと思いますし、同じになることはないでしょう。でも、自分の意識が変わり、自然にその違いを受け入れられるようになったのだと思います。

 

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ー駐妻生活を楽しむためには、柔軟性が大切かもしれませんね。ご主人のことをお聞かせください。ご主人はMarionさんのキャリアを応援してくれていますか?

はい!応援してくれています。先ほどお話したように、上海とソウルでは正社員として雇用されていました。でも、東京に来てからは、どこかの企業のポジションを探すのではなく、自分のワイナリーとコンサルティングの仕事に注力することに決めたので、この選択肢に関してよく夫と話し合います。どのように自分のビジネスを発展させられるか、どのように自分は成長できるかを話しますね。共働きだった時は、家事を分担していましたが、今私は在宅ワークで以前より自由な時間が多いので、私が主に家事をしていますし、週に数時間お手伝いさんも来てくれるので、夫は前ほどは家事をしていません。でも、私や子供達のことをとても気にかけてくれています。例えば、先日子供達の学校で保護者会があったのですが、私ではなく夫が行き、学校のことがよくわかったよと満足そうでした。

ーご主人が協力的なのはとても良いことですね。帰宅時間も早いですか?日本は残業が多い国だと世界的に思われていると思いますが…。

19時半から20時半には帰宅します。フランスの会社に勤めていますし、彼こそがマネージャーとして皆に早く家に帰るように!と言っているみたいですよ。

ーフランスの会社は、家族にとっても良い環境を提供してくれる感じですね。

そう思います。フランスの会社は、家族のこともとても気にかけてくれていると思います。例えば、CAC40に上場している企業では、社員の駐在が決まったら、その配偶者が駐在国で仕事を見つけられるように補助しなければならないという決まりがあるんです。*2 フランスでは、ほとんどの女性が働いているので、企業が配偶者に対して何もしなかったら、旦那さんは駐在を断るかもしれませんからね。ですから、配偶者が現地の言葉や何か興味のある分野を学ぶための費用を援助したり、仕事を見つけられるように支援したりしているんですよ。

ーそれは良いシステムですね!ご主人ではなく、もしMarionさんが駐在になっていたら、ご主人は帯同されたと思いますか?

 そう思いますよ。たまたま夫のほうが海外駐在の機会を頂いたので私が帯同しましたが、もし反対のことが起きていたら、夫は喜んで私について来たと思いますよ! 

ーボランティア活動もされていたとのお話ですが、どのような活動をされていたのかお話頂けますか?

ソウルに帯同した時、その土地に慣れることが最優先だったので、フランス人学校の理事会のアドバイザーとしてのボランティアから始めました。その後、他の学校のファイナンスコントロールマネージャーとしてフルタイムで働き始めましたけれど。。。また、韓国在住キャリア志向のフランス人の為のネットワークであるaKtivesを設立しました。というのも、私がキャリアの話をした時、「ここでは働くのは無理だから忘れたほうがいいわよ」と言われ、そのようなネガティブな考え方に憤りを感じたからでした。
男性の考え方だけではなく、女性の考え方も変えなければならないなと思いました。例え駐在国のビザの規定で働けないにしても、できることがあるということに気づかなければならないと思うのです。駐在期間が2,3年であれば、学校に通って勉強することもできますし、仕事に繋がるボランティアワークをすることもできます。無償のボランティアの仕事だとしても、価値があると思うべきだと思います。人は、待遇が良く、社会的地位も高いフルタイムの仕事が一番だと思いがちですが、無償の仕事に価値がないなんてことは絶対にないと思うんです。

ーそうですね。私もそう思います。今では、キャリアを諦めたくない日本人女性がたくさんいます。 

フランスでは、ほとんどの女性が働いていますし、外の世界に属していることは、妻であること、母であることと同様に大切だと思います。ですので、仕事を辞めて旦那さんの駐在に帯同し、突然妻・母でしかなくなり外の世界とは何の接点もなくなってしまったという状況に悩む女性の気持ちがよくわかります。

ー東京でもボランティア活動をされていますよね?こちらのグループはどのような活動をされているのですか?

Femmes actives Japon*2 では、代表を務めています。月に一度、日本のある業界に関するビジネストピックを選び、コンファレンスを企画しています。例えば、今私がしているブレスレットなのですが、les Georgettes by Altesseというフランス人の女性が日本で始めたブランドです。ほんの数年で日本で爆発的な成功を収めました。その彼女をお招きして、どのようにビジネスを進めたのかをお伺いしました。コンファレンスには、いつもだいたい60人から100人ぐらい集まります。

また、20人ぐらいの小グループで、朝食ミーティングもしています。経済、人口減少、女性の権利、サステイナビリィティ等日本の問題に関してお話できる様々な国の方をお招きしています。

起業家の為のグループもあります。15~20年間、企業で働いてきた人達が突然起業しようと思っても、なかなか難しいですよね。ですので、メンタリングやコーチングで解決策を見つけられるようにしています。

自己啓発に関するワークショップもしています。日本でのマナーを学んだり、フランスに戻った時の再就職プランを一緒に考えたり、ソーシャルネットワークやLinkedInを効果的に使う方法等最新のテクノロジーに精通していられるようにしたりしています。

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ー帰国された時の再就職プランのお話が出ましたが、その件に関しては心配されていますか?それとも楽観視されていますか?

フランスに戻った時には、仕事を見つけられるのではないかなと思っています。海外で何年か過ごしてフランスに戻った友達もわりと簡単に再就職できたみたいですし。もちろん、状況にもよると思いますが。。。同じ業界で長年キャリアを積んできた人達を好む企業もあると思いますが、様々な経験を積んできた人達を雇いたい企業もあると思います。フランスでは、スタートアップが増えてきていますが、そういった企業は新しい環境にもすぐに馴染める瞬発力の高い人達を雇いたいと思っていると思います。自分の興味のある業界の中小企業で事業開発やマネージメントの仕事をしたいと思っています。私はチームで仕事をするのが好きですね。

ー母国から離れて、駐妻生活を送っている間にできるスキルアップというのはどういうものがあると思われますか?

私は、いつも自分の活動や行動に意味を持たせるようにしています。未来のビジネスパートナーや上司が感嘆するようなお話をお伝えできるように、今を過ごしています。
最近は、コンファレンス、MOOC、ウェビナー等のおかげで、ビジネスの手法やテクノロジーに関する情報を簡単に得られるので、常に最新の状況を把握するようにしたいと思っています。好奇心を持って、たくさんの人に会い、そして有償であろうと無償であろうと自分の仕事に価値を感じていることが大事だと思いますさらに重要なのは、自尊心ですね。女性は自尊心が低くなりがちですが、私達自身が自分達がやってきたことに自信を持てていたら、相手の方も仕事ができるんだなと納得してくださいますよね。お給料では測れない貴重な価値ある経験というものをたくさんしてきていると思います。価値を決めるのはお金ではありません。ボランティアワークで、たくさんの優秀な女性に出会いました。是非私のチームに入ってもらって一緒に仕事をしたいと思うような方々ばかりです。ですので、何度も申し上げていますが、皆さんそれぞれの活動に価値を感じて欲しいと思うのです。

ー最後に、キャリアブランクができてしまった日本人の駐妻に対してメッセージをお願いします。

自尊心を保つことが鍵だと思うんです。でも、同時に自尊心を育むのも保つのも難しいことだということもわかっています。ですので、経験を積んだり、海外生活を楽しめたりするネットワークや機会を見つけるのが良いと思います!

もしフランス語を話されるようでしたら、Femmes actives Japonに入会してくださいね。メンバーの15-20%は、フランス語圏の国に滞在経験のある日本人や日本にあるフランス系の企業で働いている日本人です。英語を話される方でしたら、FEW*3 もありますよ。海外経験のある方々は、同じように様々な経験を積まれて来た方々と繋がっていたいと思いますし、お互いにとって良いですよね!

 

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*1 Femmes actives Japon
https://www.femmesactivesjapon.org/

*2 Spouse Support Convention
https://www.cindex.fr/convention-fr

*3 FEW
https://fewjapan.com/


 

<インタビューを終えてみて>

働かないなんてこと考えられなかった!と言うMarionさん。その言葉からキャリアへのパッションを感じました。3度の駐在帯同を経験し、言葉も文化も異なる国での生活、新しいキャリアのスタート、慣れない土地でのワーク・ライフ・バランス等、いろいろと大変なこともあったかと思いますが、すべてトライアル・アンド・エラーといった感じで自分の経験として積み重ね、ポジティブに前進されてきた姿がかっこいいなと思いました。これまでの経験すべてを通して、様々なスキルを身に着けることで、異なる業種や職種で活躍されてきたMarionさんから、自分の強みを認識して世界のどこでも通用する人材になることの大切さを感じました。無償の仕事だから価値がないなんてことはない!と繰り返すMarionさんのライフストーリを伺い、人生の経験値を上げることはキャリアにも役立つはず!と今の駐在生活に希望を与えてくれました。


(インタビュアー:金村彩香、校正:池田晴・恩田理恵)

 

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