【MAI’s Action for Change / Vol.5】駐妻になって理解したかったことと、見えたもの
こんにちは、サポーターのMAIです。日本も年末が近づき、慌ただしい時期ですね。そんな中でこのブログを読んで頂き、ありがとうございます。
今回は、間もなく1年を迎える私の駐在帯同生活の中で、特に意味の大きかった経験を書き残しておきたいと思います。
今回の経験は全て、渡米後3ヶ月~半年の時期のことですが、月日が経った今でも様々な形で試行錯誤を繰り返しています。この記事を書くまでに何度も考え直し、書き直しました。駐妻である自分の暮らしを、働くというわかりやすい価値提供の手段がないために、自分の暮らし方は生産性が乏しいように感じたり、想像していた生活と現実のギャップが埋められずにいた、私の駐在初期のエピソードを駐妻キャリアnetのブログというコンテンツに出来たことは、私にとって貴重な経験になりました。
葛藤した経験も、時間をかけて整理することでかけがえのないものになり、興味を持っていただけるエピソードになるということを、最近は日々の経験からも実感しています。
私は駐妻帯同生活が始まって間もない頃、理解したいと思ったことが3つありました。
1.家族が何をどのように頑張っているか
突然ですが、皆さんはご家族が仕事や学校生活をどんな風に頑張っているのか、説明できるでしょうか?今まで考えたこともない、という方も多いと思います。私も日本で自分が仕事に没頭していた頃は「夫も働いている」ということ以外、夫の仕事に関して理解を深めようとしたことはありませんでした。
渡米後アメリカ人の友人からよく質問を受けるのは「家族は元気?」「ご主人の仕事は順調?」といった話題でした。日本からの駐在員がどんな仕事や暮らしをしているのか、興味を持ってくれる人も多く、それに適した答えを持てるようになりたいと思いました。
また、私自身の葛藤の原因を探す中で、夫の働き方について興味を持ち、日本人の友人と会話する中で、「駐在員であるご主人はとても忙しい」「子育てはワンオペの連続」という日本人駐在員家族の共通した状況が見えたことは意外でした。すると友人との話題は自然と「どんな働き方をしているのか?(帰宅時間や残業時間、土日の過ごし方など)」に広がりました。一方で、夫に「何がそんなに忙しいの?」と安易に質問しない方がいいことは想像できました。ですが、この疑問の答えを自分だけで出すことは簡単ではありませんでした。そんな中での友人との会話から、アメリカの企業に現地就労する方と日本企業からの駐在員の働き方や、主なコミュニケーション対象となる方々の国籍や価値観、拠点間での時差の点から稼働時間に違いがあることなどを理解しました。
また、私は夫との会話をヒントに、似た業界や企業の海外駐在員のインタビュー記事を読んでみました。すると、業務内容についての説明や一日の業務フローについての紹介があり、それと全く 同じではなくても夫の仕事を具体的にイメージするために、とても役立ちました。
これらの情報を咀嚼することで、海外で働く家族の姿が立体的になったように思います。
記事などの情報の有無は、駐在先の地域や時期によっても様々な違いがあり、ヒントとなる記事は少ないかもしれませんが、これから私たちにも参考になる情報が増えていけば良いな、と思っています。
2.家族との感覚がズレないための指標
この指標とは「数字」です。ビジネス上では当たり前だった数字感覚も、家族との何気ない会話では曖昧になりがちで、漠然としていたり、時に感情的な表現で、何度も同じような衝突を繰り返していた頃もあります。
その末に夫が用いてくれた指標が
「日本と海外での仕事の量やレベルの差を数字で表してくれたこと」でした。
私の場合は夫から
「日本での仕事量を1とすると、海外では〇くらいのボリュームがある」
「予定していた業務レベルを1とすると、実際は〇くらい必要な状況」
と説明を受けて、とても分かりやすく新鮮さを覚えました。
最近も、忙しさ予測の指標に数字を用いることは重宝しています。
その他には、新しく見つけたレストランの美味しさや満足度の共有にも、数字を用いてパッと会話しています。単純明快なコミュニケーション指標が見つかるのも、家族内のストレス軽減に効果的だと感じ、積極的に活用しています。
3.自分が海外に帯同している意味
私は前職を退職する際に「家族は一緒にいた方が良い!」と多くの方々に送り出して頂きました。でもいざ生活してみると「なぜ自分が海外に帯同しているのか」と何度も感じました。
その時には、よく友人が家族について多くの経験を共有してくれました。友人とお互いに質問し合い、自分の経験からの学びを共有し合えていることに感謝するばかりです。
その学びの一つ「家族と近くで支え合える存在であること」について、大きな価値を感じています。
相手がふと話したいと思った時に日本語で話せる相手であること、会話しなくても同じ空間に居るだけのこと、家族の何気ない会話に対しても「ただ聞いていること」の大切さ、それらが海外生活において、とても大きな価値を持っていることにも友人が気付かせてくれました。
日本は本当に安全な国ですが、海外では安心できる環境は当たり前には手に入らないものです。だからこそ自分の家族が海外で挑戦することを望んでいるなら、安心して仕事や学習に打ち込めるように自分の時間を家族の為に使うことに意味がありました。
葛藤したことも含めて、夫がやりたい事にチャレンジできている、という納得感が得られたことが、大きな変化になりつつあります。家族として喜怒哀楽を共有しながら、「共に生きるってこういうことかな?」と感覚を今は持っています。挑戦の日々を続ける夫はそれどころではないと思いますが、たまにリラックスしたような言葉を聞けると「ココにいて良かったかも」と思えます。
前回のブログで、家族との生活でも「調べる、検討する、挑戦する、体験する、改善する」ことの全てがキャリア構築のステップではないかと書きましたが、このステップを進めることはやはり簡単なことではありません。起こる状況を想像することはできても「対処する・納得する」ということは、また別の次元だからでしょうか。
駐妻生活に納得するヒントとして、駐在員はどんな仕事なのか?何故これほど忙しいのか?その責任の大きさは?について、身近なご主人のケースについて理解できると、気持ちの面でバランスを整えやすいかもしれません。それが家族の安心にも繋がると思います。その上で、私たち自身も自分のできる事や、チャレンジしたい事に打ち込めると、「家族としてのキャリア」は磨かれるように感じます。
次回は、「私が海外で敢えてチャレンジした資格取得」についてお伝えしようと思います。
【MAI's Action Vol.5- どんな行動が良かったのか】
・家族の仕事内容について興味を持ち、自分でも調べた
・自分が理解を深める為の指標を探した
・海外にいる意味について友人と会話し続けた
この結果、駐在期間中に自分が優先したいことが見えてきました。